先日のオール・フォーレ・リサイタル@ザ・フェニックスホールにご来場くださった皆様、遠くから応援してくださった方々、携わってくださった皆様ありがとうございました!!!
ノクターン&即興曲の全18曲を完走し、幸せな時間でした❤️
今回の企画のテーマにした"音の移ろい&人生の移ろい"を、聴衆の皆さまが感じ取ってくださったようで、とても嬉しく思います。
このエヴォリューション・シリーズへの出演が決まった時から約1年弱、
長いようであっという間の時間でしたが、ホールの皆様にたくさんご意見をいただき、
聴き手にどのように演奏会の世界観を伝えるのか、ということを強く学ばせていただきました。
アンコールはフォーレの歌曲から「秘密」(Fauré: Le Secret)を。
フォーレはたくさんの美しい音楽作品を生み出しながらも、「当初思っていたよりも良いものは書けなかった...」といつも自分の出来には不安を抱いていたようで。
そんな彼が唯一、うぬぼれに似た感情を味わったというこの「秘密」。
若かりし頃のフォーレが、フランス歌曲で有名なデュパルクに絶賛され、その時ばかりは自信を持ったようです。
今回の演奏会は "人生の移ろい" がテーマの一つでもあり、
プログラム本編最後の「ノクターン第13番」はフォーレ76歳の時の作品。
(第1番は30歳の頃の作品。)
年老いていくことは決して幕を閉じていく、ということではなく、それまでの経験の全てが糧となり昇華されていくようなイメージを、この最後の第13番を弾いて感じるのでした。
そのような訳で、
作曲年順に並んでいた今回のプログラムではありますが、
あえてプログラムの最初に演奏した「即興曲第1番」よりも少し前の、フォーレが若い時期の特別な作品をアンコールとして選びました。
ちなみに印刷物(チラシ、チケット、プログラム)にはこだわりたかったので、すべて自分でデザインから入稿まで担いました。
知らない曲を "分からない" "難しい" という印象で終わらせず、いかにその魅力をお届けできるか、、、ということを最も意識して準備しており、プログラムノートにも工夫を。
私自身はクラシック音楽に携わっている身とはいえ、
プログラムノートに堅苦しい言葉が並んでいると途中で読むことをやめてしまうので、曲目解説は私が感じる各曲の聴きどころを簡潔に。
そして "フォーレの人生に起きたこと"として年表を載せたり、 "フォーレの音楽と奏者にまつわるエピソード"なども加え、少しでもホールに滞在してる時間を楽しく過ごしていただけたら、との思いで執筆しました。
この公演の約1ヶ月前に足を運び深く感動したとある演奏会で、
終演後、私の後方にいた大学生らしき数名が
「ほんま聴きに来て良かったー!!!」
と心から感動してるトーンで話している声を聴き、
「いやそうだよね……お客さんを楽しませるってこういうことよね。」
としみじみと納得したのでした。
良質な演奏をお届けすることは言うまでもない前提として、
奏者の存在を感じさせることを越えて、「フォーレの音楽の魅力」と「楽しい時間」をお届けするにはどうすべきか、、、
ということに常に思いを巡らせて構成にもこだわり、照明にも少し変化を。
💡
前半最後の曲である「ノクターン第6番」へ移る時に一度暗転し少し暗めの照明にチェンジしたのは、第5番と第6番の作曲時期に10年という時間の開きがあることを意識してのもの。
そして「ノクターン第11番」。
フォーレは意図的に "私的な感情を曲に込める" ということを排除してきた作曲家でしたが、この作品には唯一「ノエミ・ラロの思い出に」という副題が添えられています。
フォーレの感情的な面が音楽に加わっている珍しい作品でもあるので、舞台中央のみのスポットライトにして、聴衆の皆様にとっての大切な人に思いを馳せながらお聴きいただきました。
衣装は前半は真っ白→キラキラライトグリーンで、こちらもさりげない"移ろい"にしてみました👗
前半の白ドレスは、アーティスト写真にも使用していて何度か本番でも着用しているもの。
後半のは、なかなか思い描くデザインに巡り会えなくて、5月のある日、出かけついでにまあ見てみるか、とフラっと立ち寄ったお店で真っ先に目に入って
「いや、、、これ以上理想通りのやつとかもう無くない???!!!」
とビビビと来たもの。
とはいえ時間を置いてやっぱりあれが着たい!っていう気分になったらこれにしよう、と一旦心を落ち着けて、4晩寝かせてから決断に至りました。笑
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「ほとんど知らない曲だったけれどフォーレの世界を堪能できた」
とのご感想を多く頂戴し、
フォーレの音楽の魅力をお伝えできたことが何より嬉しく思います。
このノクターン(&即興曲)全曲というプログラム、またぜひどこかで再演したいと強く思っているので、どこかでご覧くださっている関係者の方に響くと嬉しく思います!!!!!!!!!!!!!!!!
ちなみに…
学生時代はバッハやベートーヴェンはもちろん、リストやラフマニノフ、ラヴェルなどの技巧的な作品を積極的にレパートリーにしていて、高校生でバーバーやヒナステラ、メシアン、デュティユーなどバリバリリズミカル系に目覚めたり、パリ時代はアルベニス作品に魅了されたりと、実はフォーレとはタイプの違う音楽にも幅広く触れてきました。
そんな他の一面もお見せしつつ、フォーレの音楽を主軸に据え、これからも様々なプログラムをご提案していきます!
今回の経験を糧にまだまだ前進していきますので、今後にどうぞご期待くださいませ!
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この公演の後、
あえてしばらくピアノ弾かない時間を作って心穏やかに過ごし、
10日ほど経った頃に自然とそろそろ弾きたい欲が出てきたので、
今年後半の山場に向けて再び始動しました😆🔥
また順次詳細はお知らせいたしますのでお楽しみに…!✨
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